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【広告主様向け】
成果承認について
広告費のお支払いまで流れの解説
アフィリエイト広告を出稿する際によく耳にする「成果承認」という言葉があります。広告費に関わるものにもかかわらず他のWeb広告にはない概念なので、今回はその成果承認について詳しく説明していきます。
アフィリエイト広告の概要おさらい
成果承認について触れる前にまず、アフィリエイト広告の概要や言葉を理解していただく必要があるため簡単におさらいします。
アフィリエイト広告は成果報酬型の広告で、何を成果としてそれにいくら支払いするのかを広告主様が決めて広告出稿ができます。
この「何を成果にするか」の設定は、業界の用語で「成果地点」と呼んでいます。
この成果地点は媒体様にいくら支払うかの単価「成果報酬」とセットでよく使用します。
成果地点が商品購入で成果報酬1,000円、成果地点が資料請求で成果報酬500円、といった具合で使用されています。
成果報酬は成果地点に至ったユーザー様ごとにいくらという設定なので、例えば商品購入で成果報酬1,000円と定めた場合、アフィリエイト広告経由で10人、成果地点に至ったユーザー様がいれば広告費10,000円ということになります。
ただ実際は、10件の商品購入すべてに広告費を支払わなければならないかというと必ずしもそういうわけではありません。ASPにアフィリエイト広告を登録する際、「却下条件」というものを定めることができ、それに該当する成果は支払い対象外にすることが可能なためです。
成果地点と却下条件の設定
成果地点は広告主様が扱う商品/サービスによって様々な設定が可能で、よく使われるものとしては、以下が挙げられます。
商品購入 | メーカー、物販の広告主様 |
---|---|
資料請求 | 塾や不動産、結婚相談所など |
来店(来院) | エステサロン、ジムなど |
口座開設 | クレジットカード、証券会社など |
その他会員登録やアプリインストール等、広告主様が何を獲得したいかにより実に多種多様な設定があります。ただこの成果地点を定めて広告を出すだけですと、ユーザー様の動向や申込みハードルの低さなどから色々な問題が発生します。
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- 一度は成果地点に至ったけど後にキャンセルされた(最終的に成果に繋がらなかった)ユーザー様の成果はどうするのか?
- 報酬目的の不正申し込み
- その他Web上で計測できない成果地点はどうするのか?
例えば商品購入を成果地点として広告出稿し、アフィリエイト広告経由で一度購入完了したユーザー様がいたが後にキャンセルされたというケースがあったとします。
その際、ASP管理画面上では成果が上がるため媒体様は広告費がもらえると思ってしまうかもしれませんが、広告主様側はキャンセルされた注文なので最終的には成果地点に至らなかったという判断、つまり広告費のお支払い対象ではない、という認識になると思います。
また別のケースですと、リード獲得を目的として広告を出したいと思った際に、資料請求や会員登録等を成果地点として設定することは可能ですが、もしかしたら一人の人が成果報酬目的でユーザー情報を変えながら何度も資料請求してくるかもしれません。
その他にも、店舗来店などWeb上だとユーザー様の動向が最後まで分からないものを成果地点にしたい場合、来店していないユーザー様の広告費の扱いはどうなるのかという疑問も湧いてきます。
そのような懸念を払拭できるのが却下条件の設定です。 あらかじめ「こういった成果については広告費のお支払い対象外になります」という条件を定めておくことで、却下条件に該当する成果についてはお支払いを却下することができます。
よく使われる却下条件の例としては以下です。
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- 同一ユーザー様の2回目以降の購入
- いたずら注文
- 申し込み不備
- キャンセルされた注文
- 来店に至らなかったユーザー様の成果
- ASP間の重複成果
簡単に言えば、どういったケースのお申し込みは広告の目的にそぐわないか(自社の利益につながらないのか)を言語化して却下条件にするイメージです。
例えばアフィリエイト広告は比較サイトやブログ等で潜在的なニーズを抱えたユーザー様に向けて広告を出すことができる広告手法のため、広告主様の多くは新規顧客獲得を目的としています。そのような場合には「同一ユーザー様からの2回目以降の購入」を却下条件に入れて、自社の商品を初めて購入したユーザー様のみ成果対象にしています。
なお、媒体様はASP管理画面で成果地点/成果報酬に加え、この却下条件を見ながら掲載する広告を決めるため、掲載をする際には却下条件にも同意していることになります。そのため、基本的にはASP管理画面に上がった成果すべて報酬対象になるわけではないと認識しているのでご安心ください。
成果承認作業と広告費お支払いまでの流れ
広告主様がASPへ広告出稿してから、媒体様へ広告費をお支払いするまでの流れを図にまとめました。
- 発生成果
-
成果地点に至ったユーザー様の数。
「未確定の成果」「確定前の成果」などと言うこともあります。
- 承認成果
- 発生成果のうち、承認された成果。=お支払い対象となる成果。
図のとおり、広告主様は成果承認作業で成果の承認/却下を判断し、承認した成果の合計を、ASP・媒体様へ広告費としてお支払いします。10件成果発生して、仮に8件承認すれば8件分の広告費を支払うことになります。
自社で保有するユーザー様の(購入や予約などの)情報と、ASP管理画面上で成果ごとに付与されるユーザー識別IDを突合し成果の承認/却下を判断するため、外注やASP側の作業ではなく広告主様自らで対応する必要があります。
作業頻度は広告主様や成果地点によっても異なりますが、月1回のペースで行われることが多いです。この頻度が低いと、媒体様の報酬獲得が遅れることにもなり、場合によっては広告の掲載を停止されたり広告主様にとってもマイナスな結果につながりかねないので、ある程度作業日を定めて同じペースで行っていくことをおすすめします。
この点、少し作業の煩雑さがあり慣れないうちは運用に負荷がかかるかもしれませんが、月1回の作業ペースで、CSVファイルをアップロードして一括で承認/却下ができる方法もありますので、そういったものを活用しながら徐々に慣れていただければと思います。
承認率に気をつけながら運用しよう
ここまで、却下条件を定めて成果承認作業をしていくアフィリエイト広告の基本的な流れを説明しました。広告主様にとっては余計な広告費がカットできる画期的な仕組みだとご理解いただいたかと思いますが、逆に媒体様からの見え方はどうでしょうか?
もちろん、自社の定めた却下条件に応じて成果を却下することは当然の運用方法です。ただし、この承認される確率があまりに低いと、広告主様にとっては不要な成果を却下しているだけだとしても媒体様にとっては成果が発生しているのに広告費がもらえない、そんな印象の広告になってしまう恐れもありますので、注意が必要です。
例えば毎月10件の成果が発生していても、月2件しか承認されなければ獲得できる報酬の期待が大きかっただけに落差が激しくがっかりさせてしまいます。
発生した成果に対して承認(確定)される確率を、「承認率」という言葉を用いて数値化しています。算出方法はASPによって異なることもありますが、多くの場合は以下です。
承認率(%)=(承認成果数÷発生成果数)×100
この承認率は媒体様が掲載する広告を選ぶ際の重要な指標の一つです。ASPによって管理画面上で媒体様へ公開していたり、もしくは媒体様からASP担当者に聞けば開示されるためどの広告がどれくらいの承認率があるかは比較的誰でも容易にわかるようになっています。
もちろん承認率は高ければ高いほどよく、媒体様に掲載する広告として選ばれる確率も上がるので、ただ単純に成果承認作業で承認/却下をしていってそのままで良いのかと言うとそうでもなく、この承認率を都度確認しながら低ければ原因を追求して改善をしていく事によって、媒体様に選ばれる可能性が高まります。
承認率の平均は成果地点等によって異なりますので、類似する広告がどれくらいの承認率があるのかをASP担当者に確認の上、目指すべき数値を把握しておくのがおすすめです。 低い場合、見直すポイントは却下条件や成果地点だけではないのですが、この点は別の機会にお話します。
自社の目的に合わせた成果地点/却下条件を設定しながら定期的な成果確定を
今回は、アフィリエイト広告を運用する上で重要な成果確定と、それに絡んでくる却下条件等についてお伝えしました。
自社で広告を出す目的に応じて、成果地点と却下条件をしっかり定めて運用することで、報酬目的の成果を減らす対策になる他、利益になりづらい成果や広告の目的につながらない成果を却下することができます。言い換えれば、より費用対効果の高い運用が可能になりますので、ぜひ自社や媒体様にとって適切なラインを見極めながら運用してください。