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コラム

Web広告とは?
12つの種類とその特徴をご説明

Web広告とは?

Web広告は広告の一種で、ネット上のWebメディアやアプリ等に掲載される広告の総称です。インターネット広告、オンライン広告などとも呼ばれます。

インターネットが生活に欠かせないインフラになった今、Web広告の需要は非常に高まっており、株式会社電通様が調査・発表した「日本の広告費」によると、2021年には初めてインターネット広告費がマスコミ4媒体(新聞、雑誌、ラジオ、テレビ)の広告費を上回る結果となりました。広告技術の進歩もそうですが、その他スマホ利用者の増加や通信環境の改善など、様々な追い風を受けて今後も市場は伸長する見込みです。

そんなWeb広告ですが、色々調べているとその種類の多さに驚くことはないでしょうか?実際多様な出稿先や費用形態(いつ広告費が発生するのか)があり、それぞれアプローチできるユーザー様の層もまったく異なります。そのため、効果的なプロモーションには知識や計画、設計が必要です。

そこで今回は、基本的な考え方とよく活用されるWeb広告の種類・特徴についてご説明します。

まずは目的やターゲット層の整理を

Web広告の出稿を検討した際、まず第一に行っていただきたいのが、広告を出す目的やターゲットの整理です。

Web広告は種類や出稿先の多さに加え、様々なターゲティングもできますし、クリエイティブ(広告素材)についてもテキストや静止画、動画などで様々な見せ方ができるためそれぞれの目的に応じたプロモーションが可能です。

目的に関しては、自社商品の販促という目的もあれば、まずは認知を拡大したい、商品というより企業のブランディングをしたいなど、企業様の状況により異なるかと思います。この点を社内や広告代理店等、周囲の関係者とも共通認識を取りながら進めましょう。
目的がうまく整理できないと、広告クリエイティブの作成や出稿先選定に影響し、効果的なプロモーションができない・広告費を使ったけど思った効果が得られなかった等の結果を招きかねません。

ターゲットの整理に関しては、自社の商品/サービスを購入してほしいユーザー様はどういった方なのかを深掘りして、広告を見せたいターゲットを定めていく作業です。これは、年齢や性別などユーザー属性での選定もそうですが、ユーザー様の商品/サービスに関する関心度合いについても合わせて考えながら、広告の出し方をイメージしていきます。興味関心度には様々な考え方がありますが、よく使用されている分類としては以下があります。

顕在層
具体的な悩みを持っていてニーズが顕在化している層。
悩みを解決するために商品/サービスを比較しながら利用検討している段階の方々。悩み・ニーズはある(顕在化している)けどまだ商品/サービス利用を比較検討していない層を、準顕在層としてさらに分けて考えることもあります。
潜在層
悩みを持っていない・もしくはそれに気づいていない段階、もしくは悩みはあるけどすぐ解決する必要性を感じていないなど。潜在的なニーズはある(ゆくゆくニーズが顕在化する可能性のある)方々。
低関心層(非認知層)
自社が扱う商品/サービスやそのジャンルに興味関心がない層。

一般的に以下図のような形でニーズが顕在化している層ほどユーザー様の母数は少なくなり、低関心層ほど母数が多くなります。

このようにユーザー様はそれぞれ商品/サービスまたはそのジャンルについてどのような態度であるかが異なり、それにより効果的な広告手法も変わってきます。

例えば、化粧品を作る企業様が敏感肌向け化粧品を開発して、広告を開始する場面があるとします。その際に、自分が敏感肌であると知っていてそれに悩み、化粧品ですぐに対策したいというユーザーA様と、肌悩みはあるけど何が原因でどんな対策があるのか分からない、敏感肌という言葉も知らず、化粧品を変えてみようという気持ちもまだないユーザーB様がいた場合、それぞれに出す広告としては、伝えるべきメッセージやアプローチ方法が異なりそうですよね。ユーザーB様の場合、「敏感肌」というキーワードを入れ、それを押し出した広告を見てもらっても、それだけだと自分向けの商品かもしれない可能性にも気づかず、広告をスルーされてしまう可能性があります。

どの層にどういった目的でどのような広告を展開していくかをある程度定め、イメージできるように検討してください。

続いては、広告の種類をご紹介しますので、具体的に決まってきた目的とターゲットをもとにどの広告が合いそうか、出稿を想定しながらご覧ください。

Web広告の種類12つ

細かく分類するともっと種類がありますが、ここでは12種類紹介します。

図:ターゲット層別マッチする広告メニュー

① 純広告

特定のWebメディアの広告枠を買い取り、一定期間掲載する広告。Web広告で多い入札式の課金形態ではないので、必ず希望の位置に希望の期間掲載できます。細かなターゲティング設定などは必要なく、そのWebメディアを訪れた方全員が広告を見せるターゲットになります。幅広いユーザー層に見てもらえるというその特徴から無関心層〜顕在層向けに広告したい際に有効です。
課金方式:掲載期間保証型課金など

② リスティング広告(検索連動型広告)

GoogleやYahoo!などの検索エンジンの検索結果画面に表示されるテキストの広告。ユーザーが検索したキーワードに応じて、ユーザーニーズに近い広告が表示される仕組みです。例えば「化粧品 おすすめ」「脱毛サロン 渋谷」など、検索行動をするユーザー様はすでにニーズが顕在化している状況と言えますので、その方々に対して広告表示するこの手法は顕在層向けの広告となります。キーワードによっては広告を出したい競合の広告主様が多く、広告表示させるための入札単価が高騰してしまうケースもありますが、Webマーケティングを行う企業様の多くが利用するメジャーな広告です。
課金方式:クリック課金
運用型広告のため、継続的な運用が必要

③ ディスプレイ広告

Webサイトや検索エンジンなどの広告枠に動的に表示される広告。アドネットワークやDSPなどの複数のWebサイトに横断的に配信できる仕組みを使い、広いユーザー様に向けて効率的に広告表示が可能です。そのため潜在層・顕在層の方への訴求に向いています。
年齢や性別、興味関心、過去のWebサイト閲覧等などの行動履歴等で「人」を対象にしてターゲティングできる方法や、広告掲載される場所(Webサイトやアプリなど)、すなわち「面」を限定して配信できる方法など様々な配信方法があります。
課金方式:クリック課金、インプレッション課金
運用型広告のため、継続的な運用が必要

④ リターゲティング(リマーケティング)広告

過去に自社サイトを訪れたユーザー様に向けて配信する広告。ディスプレイ広告のターゲティング方法の一つでディスプレイ広告の広告枠に表示されます。一度自社サイトに訪れた方、すなわちすでに自社の商品/サービスを知っている人に向けて広告配信するので、顕在層の方へ申し込みの後押しをすることに向いています。そのため新規のユーザー様へ配信する広告よりもコンバージョン率が高くなる傾向があります。
課金方式:クリック課金、インプレッション課金
運用型広告のため、継続的な運用が必要

⑤ ネイティブ広告

Webサイトの一コンテンツのような自然な形で表示される広告全般のこと。記事まとめサイトやSNSの投稿等で、上下のコンテンツと同じようなデザイン・フォーマットで出てくるインフィード型や、「あなたにおすすめの記事」という形で自分の興味関心に近い記事が出てくるレコメンドウィジェット型など、様々な種類があります。なお、上に挙げたリスティング広告も、他のWebサイトと溶け込んだ形で広告表示されるため、IAB(Interactive Advertising Bureau)ではネイティブ広告に分類されていますが、本記事では分けて説明させていただきます。
無理な購入の後押しはしない内容で訴求し自然に読んでもらうことで、ユーザー様にストレスなく見てもらえるという特徴があります。広告と知らず読み進める方もいる、その自然さの特徴から広告効果が出るまで時間がかかるかもしれませんが、無関心層・潜在層の方に向けてじっくりコミュニケーションが取れる手法です。
課金方式:クリック課金、インプレッション課金
運用型広告のため、継続的な運用が必要

⑥ アフィリエイト広告

ブログやWebサイトなどを持つ個人/法人の媒体様が任意で選んだ広告を掲載し、広告主様が設定した成果地点に至ったユーザーの数だけ費用が発生する成果報酬型の広告。成果報酬のため媒体様はセールスライティングに長けた方が多く、一般的に顕在層向けの広告とは言われますが、掲載先も成果地点も様々な選択があり、うまく活用すれば無関心層〜幅広い層に向けて訴求が可能です。
課金方式:成果報酬型

⑦ リワード広告

広告を見たユーザー様が特定のアクション(商品購入、アプリインストール、動画視聴など)を行った際にポイント等の報酬がもらえる広告。報酬が得られるというユーザーメリットがあるためコンバージョンが起こりやすいのが特徴。一定数、報酬目的のコンバージョンもあるため継続率が悪いというデメリットもありますが、無関心層・潜在層の方へ自社商品/サービスを試してもらうきっかけ作りにも活用できます。リワード(reward)=報酬の意味。成果報酬型の広告でアフィリエイト広告の一種に分類されています。
課金方式:成果報酬型

⑧ 記事広告・タイアップ広告

広告主様の商品/サービスに関するPR記事を第三者である媒体社、ライターが作成して掲載する広告。第三者がPRするため信頼が得られやすく、消費者目線の広告が可能。どういった記事にするかの取材や企画などで多少形になるまで時間がかかりますが、商品/サービスをじっくり深掘りして良さやメリットを伝えてくれるような記事ができれば、無関心層・潜在層に向けてのアプローチに効果的です。自社商品/サービスに親和性のある媒体を選び掲載さえ完了すればその後の広告運用はないため手離れは良い施策です。
課金方式:掲載ごと

⑨ SNS広告

SNS(X、Instagram、Facebook、LINEなど)上で配信される広告。媒体によって特徴やアプローチできる層、課金方式が異なります。例えばXの広告ではリアルタイム性・拡散性が高く最新の話題やトレンドに合わせたユーザーコミュニケーションが可能。Instagram広告ではその媒体特徴を活かし、画像や動画で商品/サービスの魅力を世界観ごと強くアピールできるため、ビジュアルを見せていきたい商材にも適していると言えます。
課金方式:クリック課金、エンゲージメント課金など
運用型広告のため、継続的な運用が必要

⑩ 動画広告・YouTube広告

動画を利用した広告。映像+音声で多くの情報を短時間で伝えられる他、ストーリー性をもたせた広告も可能なので、例えば商品を作った背景や企業の魅力から訴求するなどの活用方法もあります。静止画のバナー等よりも目に留まらせやすく能動的に見てもらえます。様々な配信先・種類がありますが多くの場合、ユーザー様はYou TubeやSNS等の視聴中に広告に触れるため、すぐコンバージョンをしてもらう目的の広告よりは無関心層・潜在層へ向けてブランド認知や潜在的に印象に残すための広告などに効果的です。
課金方式:視聴課金、クリック課金、インプレッション課金
運用型広告のため、継続的な運用が必要

⑪ デジタル音声広告

音楽や音声データ配信サービス(ポッドキャスト、Spotify等)で配信できる音声の広告。主に視覚で感じてもらう他のWeb広告と異なり聴覚に訴求するため、また違った形でユーザー様へ商品/サービスの情報を届けられます。スキップされにくく確実にメッセージを聞いてもらえる特徴もあり、また他広告同様に年齢、性別、嗜好性などでターゲティングの上配信が可能。音で利用シーンの想起や印象付けを行うため、今すぐ客というよりは長期的な効果を見込んだコミュニケーション、ブランディングに向いており無関心層・潜在層向けに適しています。
課金方式:視聴課金

⑫ メール広告

電子メールを使ってユーザー様に商品/サービスの情報を届ける広告。メールアドレスを含めた会員情報を持つ媒体様や、メルマガ配信サービスの企業様などを通じて配信可能です。開封されなければメッセージが読まれないというデメリットもありますが、文面さえ作って入稿すれば比較的すぐ配信ができるため、顕在層・明確層に向けた施策にも向いています。もしくはすでに自社商品/サービスを購入した履歴のあるユーザー様向けに(自社の会員情報を用いて)広告を流せば、既存顧客に対してリピート購入の提案もできます。配信後の運用の手間もあまりないのも特徴。html形式のメールの場合、画像の使用や装飾が可能です。
課金方式:クリック課金、配信数型課金など

課金方式の種類

ここまでWeb広告でよく活用される種類をご紹介しました。
先に少し触れた通り、Web広告では費用形態(いつ広告費が発生するのか)がメニューにより異なるため、使いたい広告が決まった際にはそれぞれの広告メニューを取り扱う媒体に課金方式をよく確認することも必要です。
大きく分けて7つ種類がありますので、以下を参考にご覧ください。

課金方式 略語 説明
掲載期間保証型課金 CPD(Cost Per Day) 予め定めた広告の掲載期間に応じて広告費が発生する費用形態。
クリック課金 CPC(Cost Per Click) ユーザー様が広告を1クリックする毎に広告費が発生する費用形態。
インプレッション課金 CPM(Cost Per Mille) ユーザー様に向けて広告が1,000回など定められた表示数毎に広告費が発生する費用形態。
成果報酬課金 CPA(Cost Per Action) ユーザー様が広告経由で「商品購入」や「資料請求」「口座開設」等、任意で定めたアクションを行った際に広告費が発生する費用形態。
エンゲージメント課金 CPE(Cost Per Engagement) ユーザー様が広告に対して「いいね」や「シェア」「フォロー」等、特定の行動を取った毎に広告費が発生する費用形態。何をエンゲージメントと定義するのかは媒体によって異なる為確認が必要です。
視聴課金 CPV(Cost Per View) ユーザー様の動画広告の再生回数に応じて広告費が発生する費用形態。最後まで視聴されて費用が発生するものと、スキップされたとしても1再生とみなされ費用が発生する場合もある為確認が必要です。
配信数型課金 メールの配信通数に応じて広告費が発生する費用形態。

運用型広告について

今回ご紹介させていただいた広告種類の中には、「運用型広告」と呼ばれる広告がいくつかあります。

運用型広告...
広告管理画面でリアルタイムでターゲティングや入札、クリエイティブ変更等を行い、データを確認しながら広告の効果最大化を目指し運用していく広告。

純広告やタイアップ広告などは、一度広告を出してしまえば効果計測は掲載期間が終わった後の振り返りのみになると思いますが、運用型広告はどのクリエイティブ・出稿先が効果が良いのかを日々確認しながら修正や再入稿で数値最適化をしていく業務が発生します。
その点、少し手間がかかりますし知識も必要になりますが、少ない予算から開始できますし、日々変わるユーザーニーズをつかみやすく細かな設定や配信が可能です。
今やWebマーケティングには欠かせない広告手法のため、自社のリソースや知識で不安がある場合には、まずは広告代理店などをうまく頼りながら活用を検討してみてください。

まとめ

目的とターゲットに加え、活用する広告がある程度定まれば、各広告を扱う事業社に問い合わせを行ったり、それぞれで必要なクリエイティブ作成なども進行できるかと思いますので、ぜひ自社の広告戦略に沿った最適な広告手法でPR活動を行ってください。

なお、今回ご紹介したWeb広告については、1種類の広告にしか出稿できないなどのルールはもちろんございません。多くの企業様が自社のフェーズ、目的に合わせて複数のWeb広告を活用しています。複数の広告を利用したほうが相乗効果が見込め、より効果的にプロモーションできる可能性が高いため、広告予算や人的リソースが許せば複数種類を併用した広告運用をおすすめします。

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