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CPA(顧客獲得単価)って何?
活用方法や目標設定方法をご紹介

2024/01/30

Web広告を扱っていると出てくる言葉「CPA」。似たような単語も多く、実際正しく使えているのか不安になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

CPAは広告の効果を計る上で重要な指標の一つです。これからWEB広告を出稿する方や出稿を開始したばかりの方、知識に不安がある方など、今後効果的な広告運用を目指すご担当者様にご参考いただけますと幸いです。

CPAとは?

CPAは、Cost per ActionまたはCost per Acquisitionの略称で、日本語では顧客獲得単価という言葉を使っています。1件の成果(顧客)を獲得するのにかかった広告費、コストのことです。「成果」が何を指すのかは各広告主様でそれぞれ定義・設定が異なりますが、例えば「商品購入」や「サービス申し込み」「会員登録」などが挙げられます。

CPA(Cost Per Action/Acquisition)
新規顧客を獲得するのに費やすコスト。顧客獲得単価。
CPA=広告費用÷成果(コンバージョン/CV)数

Googleの広告メニューでは「コンバージョン単価」と表記されています。
広告費用÷成果(コンバージョン/CV)数の計算式で求められ、出稿した広告の費用対効果が分かる指標になっています。CPAは低いほうが1顧客獲得あたりの広告費が安いということになるので、一般的に数値を抑えられたほうが望ましいとされます。

仮にAとBの2つの広告を出稿し以下の結果が出た場合、どちらの広告のほうが効果が良いと判断できるでしょうか。

使った広告費 成果獲得数
広告A 100,000円 50件
広告B 300,000円 200件

広告費だけで比較すると広告Bのほうが多くの金額を使ってしまっていますが、CPAを算出すると以下の通りです。

広告Aの場合 100,000÷50=CPA2,000円
広告Bの場合 300,000÷200=CPA1,500円

CPAで比較すると広告Bのほうが効率的に成果を獲得できていると判断できます。

CPO・CPRとの違い

CPAと類似するWebマーケティング用語として、CPO、CPRという指標があります。この3つは概念も似ているため、違いを少し解説させていただきます。

CPO(Cost Per Order)
1件の受注を獲得するのにかかったコスト。
設定した成果(コンバージョン)地点が利益に直結する場合、例えば商品購入などすぐ売上げが立つものについてはCPAと同義になります。
設定した成果地点がリード獲得(資料請求、問い合わせ)の場合は、資料請求や問い合わせなどのアクションがCPA、受注がCPOと分けて考えます。
CPO=広告費÷受注件数
CPR(Cost Per Response)
1件のレスポンス(申込、無料登録など)を獲得するのにかかったコスト。
CPAが顧客獲得あたりのコストを指すのに対し、CPRは顧客の反応1件あたりのコストを指すという点で異なります。
CPRはお試し品、無料サンプルの申し込みや資料請求のような、購入の前段階である反応も対象としており、広告主様のビジネスモデルによってはこのCPRも活用されます。
CPR=広告費÷レスポンス数

CPAは、何をAction(Acquisition)とするのかが広告主様側で任意で設定できるため、より広義に使われており、CPO/CPRよりもビジネスモデル・業界を問わず、幅広く使える指標です。まずはCPAだけ覚えていただき、CPO・CPRとは定義が違う、広告主様によってはCPAと分けて追っている指標があるということだけ覚えていただければ大丈夫です。

CPAの重要性と活用方法

CPAは出稿した広告の効果を計る指標です。

CPA=1人の顧客獲得あたりにかかるコストということは、言い換えれば1人の顧客獲得あたりに使えるコストということになります。
仮に商品(売上)単価が10,000円のものを広告出稿して、商品購入のCPA(1コンバージョンあたりの単価)が12,000円ですと、赤字になってしまいます。つまり、CPAは出稿している広告が赤字になっていないか否か、利益が出ているかを計る指標にもなる点で非常に重要な物差しになります。

前提として、(広告メニューにもよりますが)Web広告はテレビCMのような、大きなものを一つ企画・制作して一定期間出す広告とは異なり、いくつかの媒体に同時出稿したり、バナーなどのクリエイティブも複数作成して使い分けながら広告を展開していくのが通例です。出稿開始後は、どの媒体・クリエイティブが効果が高いのか、データを蓄積して数値最適化をしていく運用が必要になります。

運用業務では、広告ごとに使っている費用や、それぞれの成果獲得数、クリック数などのデータを照らし合わせ、反響が良い広告を残しながら、あまり効果が出ていない広告の出稿停止やクリエイティブ修正、ターゲットの見直し等を行っていきます。
その際に、どの数値を重視して広告を調整していくのか、判断材料となるKPIの設定が必要です。

KPIがないと、出稿中どの数値を見れば効果が良い(もしくは悪い)と言えるのかが分からない、予算を使い切った後に結果の振り返りができない、そんな事になりかねません。そこでCPAを指標に設定することで、広告ごとに費用対効果の比較が可能になり、取捨選択がしやすくなります。より効果的なPRにしていくこともできますし、赤字のまま出稿してしまっていないかや利益がしっかり出ているのかも判別することができます。

広告を出す目的や何を重視するかは広告主様により違いがありますが、多くの広告主様がCPAを最重要指標として採用する傾向にあります。

ただし、誤解がないように補足すると、CPAはあくまでコストパフォーマンスを見る指標であり、絶対低いほうが良いというわけではありません。CPAを抑えることだけに集中すると、コンバージョン数が伸び悩んだり、その先にある売上、利益率など本来の目的を見失うことにもつながりかねません。そうなっては本末転倒なので、広告を出す元々の狙いは常に念頭に置き、目標達成のためある程度の上振れは許容しながら調整するなどの柔軟な運用ができればベターです。

限界CPAと目標CPA

ではどれくらいの上振れだったら許容して良いのか?どれくらいの値に抑えられれば広告効果が良いと言えるのか?そんな疑問が湧いてくるかと思います。

許容できるCPA上限や赤字ラインは広告主様ごとに異なりますので、それぞれでCPAの目標値を設定する必要があります。その際は広告していくものの商品単価だけでなく、原価やビジネスモデル、得たい利益率など複数の要素を加味して考えます。

そこでまず理解していただきたいのが「限界CPA」「目標CPA」です。

限界(上限)CPA
1件の成果(顧客)獲得のために支払えるコストの上限値。
赤字にならない限界の数値。
目標CPA
1件の成果(顧客)獲得のために支払えるコストの目標値。
限界CPAの金額から、得たい利益を差し引いて算出

わかりやすく言うと、広告出稿後の数字分析の際、限界CPAを上回った値が出たらその広告は赤字、何かしら手直しをしたほうが良いという判断基準になります。逆に目標CPAの範囲内で成果獲得ができているのであれば、その広告は得たい利益が出ていることになります。

利益は得ずにまずは顧客獲得のため最大限広告出稿したいという場合には、限界CPA=目標CPAになることも有りえますが、基本的にはこの限界CPAと目標CPAをそれぞれ分けて考えて広告出稿するのが通例なので、概念を理解していただければと思います。

ビジネスモデル別CPAの求め方

算出には、まず限界CPAを算出してそこから目標CPAを定める方法が多く使われています。考え方や算出方法はいくつかありますが、シンプルな式をご紹介します。

ビジネスモデル 限界CPA 目標CPA
非リピート通販 顧客(売上)単価・原価 限界CPA-確保したい利益
もしくは、目標利益率から算出する場合は以下
限界CPA×(100%-目標利益率)
リピート通販 (平均顧客単価-平均原価)×平均購入回数
リード獲得 顧客(売上)単価×利益率×成約率
もしくは
(顧客単価-原価-経費)×成約率
① 非リピート通販の場合

家具や冠婚葬祭、その他買い切りの通販の場合、最も基本的な式、顧客(売上)単価-原価で限界CPAが求められます。ここで言う原価には送料や材料費等に加え、人件費や光熱費などのかかる諸経費(広告費以外)も入れたほうがよりベターですが、どこまで含めるのかは広告主様により考えがちがうため社内ですり合わせが必要です。

② リピート通販の場合

健康食品や化粧品、その他日用品など、ユーザー様が何度もリピート購入することを見越した通販の場合は、シンプルな算出方法だと表の通り(平均顧客単価-平均原価)×平均購入回数で求められます。より正確な数値を算出する場合、LTVから計算する方法もあります。限界CPA=LTV×粗利率でもOKです。

LTV(Life time Value)
日本語で顧客生涯価値。
1顧客様が取引(購入等)を開始してから契約完了までにもたらしてくれる利益。
LTV=平均購買単価×平均購買頻度(年)×平均継続期間(件)×平均利益率
③ リード獲得の広告の場合

資料請求やお問い合わせ、来店予約など、リード獲得を成果(コンバージョン)地点と設定して広告出稿した場合、Web上の成果=すぐ利益とはならず、その後のクロージングが必要で、無事成約すれば初めて利益になると思います。その場合は、コンバージョン後の成約率を加味した上でCPAを求める必要が出てくるため、式に成約(売上発生)率が入ってきます。

自社の目的を踏まえ最適なKPI設定を

これまでCPAの概要や活用方法、算出方法などをご説明しました。

自社の広告の限界CPA・目標CPAを把握しながらWeb広告の運用を開始することで、より効率的なPRが可能になりますので、目標設定のため少しでもお役に立てれば嬉しいです。

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