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化粧品に関する
アンケート結果を広告で正しく使うには

2024/07/26

お客様やモニター様から寄せられたアンケート結果に関して、『せっかく良いデータが集まったのだから、広告に使って行きたい!』そう思われることも多々あるのではないかと思います。

実際に、このようなアンケート結果を、化粧品広告に生かす事ができるのかを整理しましょう。

アンケートにはいろいろな種類がありますが、化粧品の広告でよくあるものとしては

  • 製品についての調査したもの
  • 一般的な美容意識を調査したもの

が挙げられるのではないでしょうか。
まず、医薬品等適正広告基準における該当ルールをみてみましょう。

第4(基準)
3 効能効果、性能及び安全性関係
(5)効能効果等又は安全性を保証する表現の禁止
医薬品等の効能効果等又は安全性について、具体的効能効果等又は安全性を摘示して、それが確実である保証をするような表現をしてはならない。

<共通>

~略~

(5)使用体験談等について
愛用者の感謝状、感謝の言葉等の例示及び「私も使っています。」等使用経験又は体験談的広告は、客観的裏付けとはなりえず、かえって消費者に対し効能効果等又は安全性について誤解を与えるおそれがあるため以下の場合を除き行ってはならない。
なお、いずれの場合も過度な表現や保証的な表現とならないよう注意すること。

①目薬、外皮用剤及び化粧品等の広告で使用感を説明する場合
ただし、使用感のみを特に強調する広告は、消費者に当該製品の使用目的を誤らせるおそれがあるため行わないこと。
②タレントが単に製品の説明や呈示を行う場合

~略~

参照元: 医薬品等適正広告基準
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/0000179263.pdf

当部分には直接、「アンケート」や「モニター」といった表現は出てきませんが、特に『製品についての調査したもの』の場合で考えると実際に商品を使っていただいての感想等に基づくものになる可能性が高いものと思います。

いわゆるアンケート結果が“使用体験談”に該当する場合、効能効果等又は安全性について触れることはできないと判断できます。

例えば、化粧品の体験談では、化粧品において標ぼうが認められている効能効果であっても不可であり、あくまでも “使用感”までが用いる事のできる範囲ということです。

よって、アンケート結果も同様に「ハリが出た」「しっとりした」「キメが整った」等、効能効果に関連したアンケート結果は標ぼうできず、あくまでも使用感やテクスチャー的な表現にとどめていただく必要があります。

もちろん大前提として、「シワが消えた」「ニキビが治った」等化粧品で標ぼう可能な効能効果を逸脱するような内容は、例えアンケートに寄せられた事実であったとしても、広告に用いる事はできません。

他として「96%のお客様が大満足!」等の表現も良く見かけます。
ここでも注意が必要です。

日本化粧品工業会『化粧品等の適正広告ガイドライン2020年版』にはこのように記載されています。

E22 「調査結果に基づく数値」の表現

「満足度93%!!」、「愛用者の98%が満足」のように、調査結果に基づき数値で示すことは、効能効果又は安全性が確実であるかのような誤解を与えるおそれがあるので、原則として行わないこと。

ただし、効能効果又は安全性に対して誤認を与えることのない、「使用方法、使用感、香りの嗜好性等」に関するものであって、客観的調査に基づき、調査の概要を明示し、調査の結果が適正に引用されている場合については認められるものとする。

なお、「満足度93%!!」等の表現に※を付し、離れた場所や小さな文字で「使いやすさ」等と記載するのは、効能効果又は安全性に対する満足度と消費者が誤認するおそれがある。

そのため、「使いやすさの満足度93%!!」等のように、効能効果等に関する満足感ではないことを明示すること。

参照元: 日本化粧品工業会(旧日本化粧品工業連合会)「化粧品等の適正広告ガイドライン2020年版」
https://www.jcia.org/user/common/download/business/advertising/JCIA20200615_ADguide.pdf

従って「96%のお客様が大満足!」では言葉足らずであり、ルールに抵触しないためには「96%のお客様が使用感に大満足!」等、効能効果又は安全性に対して誤認を与えることのないものである必要があり、且つ、調査の概要の明示もするようにしましょう。

次に、『一般的な美容意識を調査したもの』で考えてみましょう。

例えば、アンケート項目として、

  • いまの肌の悩みは何ですか?(回答例:乾燥、シミ、たるみ等)
  • 化粧品に求めるものは?(回答例:保湿、ハリ、美白、低価格等)

のように、あくまでも美容に関して一般的な情報として掲載するのであれば問題はないかと思われます。
ただし、このアンケート結果から誘導する形で

“そんなお悩みにこたえる化粧品◎◎”

といった表現を用い、アンケート結果について悩みの改善や要望を満たす商品であることに繋げる場合は、「効果の逸脱」「効果や安全性の保証」にあたる可能性がありますので注意が必要です。

また、アンケート内容によっては、

  • いまの化粧品の不満は?(回答例:高額、効果がない等)

となると、文脈によっては他社誹謗と捉えられますので、この点にも注意しましょう。

『一般的な美容意識を調査したもの』であっても『製品についての調査したもの』と同様に、最低限、調査に関する情報(対象者や調査時期、調査機関等)は明記していただく必要があるかと思います。

アンケート結果やそれを基にした円グラフ等は、広告でも目を引き訴求力の期待できる手法ですので、正しくかつ有効的に使ってみましょう。

著者情報

薬事法広告研究所 代表 稲留万希子

DCアーキテクト株式会社 ( https://info.dc-arch.co.jp/
薬事法広告研究所( https://www.89ji.com/

◆事業内容
薬事広告に関するコンサルティング業務
通信販売に関するコンサルティング業務
市場調査、広告宣伝に関する業務
インターネットを利用した各種情報提供サービス

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https://www.89ji.com/seminar/7317/

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