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広告担当者様必読!
化粧品と薬機法を正しく理解するガイド
薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)は、保健衛生の向上を図り、人の健康や安全を守るための法律です。医薬品や医療機器、化粧品などの安全性や有効性を確保するべく、開発、製造、販売、広告、流通に関して規制やルールを定めており、違反すると刑事罰や行政処分のリスクがあります。
国が定めた5品目(医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品)について適用される法律ですが、今回は、その中でも化粧品にフォーカスし、広告を行う上での注意点やNG表現例をご紹介します。
薬機法についての概要はこちらのコラムをご覧ください。
薬機法上の広告と広告規制~おさらい~
本題に入る前にまず薬機法上の広告の定義と、規制について簡単に触れておきます。
【薬機法上の広告とは?】
薬機法上では、次の3つの要件をすべて満たすものを「広告」としてみなします。
- 顧客を誘引する (顧客の購入意欲を昂進させる)意図が明確であること
- 特定医薬品等の商品名が明らかにされていること
- 一般人が認知できる状態であること
引用元:薬事法における医薬品等の広告の該当性について
(平成10年9月29日医薬監第148号都道府県衛生主管部 (局)長あて厚生省医薬安全局監視指導課長通知)
顧客を誘引する意図が明確か否かは内容や体裁が重視される上、3つめの「一般人が認知できる状態」という点も広く解釈されるため、人が見聞きできる販促物はすべて対象と捉えたほうが安全です。実際、CMやチラシ、Web広告などいわゆる一般的な広告を含め、ラジオや店先の口頭で演述する宣伝も規制対象となります。
【薬機法の広告規制】
薬機法のうち、広告に関して触れているのは第66条〜第68条の3条です。それぞれの要約としては以下のとおりです。
- ■第66条・・・虚偽広告・誇大広告の禁止
-
- 医薬品等の製品について何人も虚偽・誇大な表現で広告をしてはならない
- 効果効能について医師や他者が保証したという誤解を与える表現をしてはならない
- 堕胎やわいせつに関わる表現、イメージを広告に使ってはいけない
- ■第67条・・・特定疾病用の医薬品等の広告制限
-
- 特定の深刻な疾病(がん、肉腫、白血病)に関連する医薬品の広告を制限
- ■第68条・・・承認前の医薬品等の広告禁止
-
- 日本で未承認の医薬品、医療機器等は名称、製造方法、効果効能について広告禁止
参考:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)
もちろんどれも重要ですが、広告を扱う上では特に第66条、虚偽・誇大広告に該当しないかに気を配るのがメインになるケースが多いです。「何人も」とあるので、商品/サービスを扱う広告主様はもちろん、広告代理店や制作会社、掲載する側のアフィリエイター様・インフルエンサー様など、広告に携わる方すべてに該当します。広告主様は自社で作成するLPやバナー等の広告素材のほか、アフィリエイター様などが訴求する内容にも薬機法から逸脱した表現がないか、管理監督する責任があります。
薬機法上の化粧品とは?
薬機法では化粧品について、次のとおり定めています。
第2条
3 この法律で「化粧品」とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。ただし、これらの使用目的のほかに、第一項第二号又は第三号に規定する用途に使用されることも併せて目的とされている物及び医薬部外品を除く。
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号) 第二条
医薬部外品より効能・効果が緩和で、清潔にする、健やかに保つ等の目的で使用される製品を化粧品としています。化粧水やクリーム、メイクアップのための商品などがイメージしやすいかもしれませんが、薬機法上の化粧品はシャンプーや石鹸、歯磨き粉、ネイルケア商品なども該当するというのがポイントです。
- 【化粧品一例】
-
- スキンケア商品(洗顔料、化粧水、乳液、クリーム、ボディソープ、石鹸等)
- メイクアップ化粧品(ファンデーション、口紅等)
- ヘアケア化粧品(シャンプー、リンス、ヘアスプレー等)
- ネイルケア商品(ネイルエナメル等)
- オーラルケア商品(歯磨き粉、マウスウォッシュ等)
なお医薬部外品(薬用化粧品)とは、医薬品と化粧品の中間に位置し、主に科学的根拠があり国に承認された範囲の効能・効能が謳える製品です。医薬部外品には厚生労働大臣の承認が必要なため、化粧品を扱う事業者様はこの医薬部外品と誤解して表現を行わないように、区別して認識する必要があります。
化粧品の広告で標ぼうできる効果効能の範囲
化粧品で宣伝できる効果効能の範囲は厚生労働省によって定められており、以下56項目の範囲であれば標ぼうOKとなっています。
- 頭皮、毛髪を清浄にする。
- 香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。
- 頭皮、毛髪をすこやかに保つ。
- 毛髪にはり、こしを与える。
- 頭皮、毛髪にうるおいを与える。
- 頭皮、毛髪のうるおいを保つ。
- 毛髪をしなやかにする。
- クシどおりをよくする。
- 毛髪のつやを保つ。
- 毛髪につやを与える。
- フケ、カユミがとれる。
- フケ、カユミを抑える。
- 毛髪の水分、油分を補い保つ。
- 裂毛、切毛、枝毛を防ぐ。
- 髪型を整え、保持する。
- 毛髪の帯電を防止する。
- (汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする。
- (洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)。
- 肌を整える。
- 肌のキメを整える。
- 皮膚をすこやかに保つ。
- 肌荒れを防ぐ。
- 肌をひきしめる。
- 皮膚にうるおいを与える。
- 皮膚の水分、油分を補い保つ。
- 皮膚の柔軟性を保つ。
- 皮膚を保護する。
- 皮膚の乾燥を防ぐ。
- 肌を柔らげる。
- 肌にはりを与える。
- 肌にツヤを与える。
- 肌を滑らかにする。
- ひげを剃りやすくする。
- ひげそり後の肌を整える。
- あせもを防ぐ(打粉)。
- 日やけを防ぐ。
- 日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。
- 芳香を与える。
- 爪を保護する。
- 爪をすこやかに保つ。
- 爪にうるおいを与える。
- 口唇の荒れを防ぐ。
- 口唇のキメを整える。
- 口唇にうるおいを与える。
- 口唇をすこやかにする。
- 口唇を保護する。口唇の乾燥を防ぐ。
- 口唇の乾燥によるカサツキを防ぐ。
- 口唇を滑らかにする。
- ムシ歯を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
- 歯を白くする(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
- 歯垢を除去する(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
- 口中を浄化する(歯みがき類)。
- 口臭を防ぐ(歯みがき類)。
- 歯のやにを取る(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
- 歯石の沈着を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
- 乾燥による小ジワを目立たなくする。
注1) 例えば、「補い保つ」は「補う」あるいは「保つ」との効能でも可とする。
注2) 「皮膚」と「肌」の使い分けは可とする。
注3) ( )内は、効能には含めないが、使用形態から考慮して、限定するものである。
注4) (56)については、日本香粧品学会の「化粧品機能評価ガイドライン」に基づく試験等を行い、その効果を確認した場合に限る。
引用元:化粧品の効能の範囲の改正について
化粧品の広告表現はこの範囲に従って適用・運用されているため、ここから逸脱した表現は基本的にNG、薬機法違反になる恐れがあります。一例を挙げると、洗顔料の広告で「ニキビが治る」というワードは医薬品を連想させるため謳えません。そこで18番に則って、「洗浄によってニキビを防ぐ」であればOK、といった具合に判断できます。
なお、全部この通りの文言を使わなければならないというわけではなく、事実に反することなく、意味が変わらなければ言い換えた表現も可能になるケースがあります。
化粧品広告で気をつけるべきワード例
ここからは具体的に、化粧品商材ごとのよく使われる表現や、NG文言例をいくつかご紹介します。基本的に、表現のポイントとしては以下を押さえるのが重要です。
- 事実に則り、科学的根拠のない効果効能は謳わないこと
- 誇張表現や誤解を招く表現を使わないこと
- 誤解が生じそうな表現は注釈で説明すること
【スキンケア関連】
- ■基本的に標ぼうできる範囲
-
(17) (汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする。
(18) (洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)。
(19) 肌を整える。
(20) 肌のキメを整える。
(21) 皮膚をすこやかに保つ。
(22) 肌荒れを防ぐ。
(23) 肌をひきしめる。
(24) 皮膚にうるおいを与える。
(25) 皮膚の水分、油分を補い保つ。
(26) 皮膚の柔軟性を保つ。
(27) 皮膚を保護する。
(28) 皮膚の乾燥を防ぐ。
(29) 肌を柔らげる。
(30) 肌にはりを与える。
(31) 肌にツヤを与える。
(32) 肌を滑らかにする。
(33) ひげを剃りやすくする。
(34) ひげそり後の肌を整える。
(35) あせもを防ぐ(打粉)。
(36) 日やけを防ぐ。
(37) 日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。
(38) 芳香を与える。
(56) 乾燥による小ジワを目立たなくする。
■NGになる文言例
- 「美白」「ホワイトニング」「そばかすが消える」「シミが消える」
-
美白効果(ホワイトニング)やシミ等が消えるかのような表現は、できてしまったシミ・そばかすを治すという、治癒的な効果を思わせるためNGです。
※ファンデーション等でメーキャップ効果により肌を白く見せるという表現であれば標ぼう可能。
ただしその場合、メーキャップ効果である旨の併記が必須です。
- 「アンチエイジング」
-
アンチエイジング(抗老化)は老化防止や若返りを暗示させるため、薬機法で定められた効果効能を逸脱していると判断されNGです。「エイジングケア」という文言に置き換えた上で、年齢に応じた化粧品等の効能効果の範囲内のお手入れ(ケア)のことを指す使い方であれば、認められます。
例:エイジングケア※年齢に応じた化粧品等によるお手入れ(ケア)のこと。
エイジングケア※年齢を重ねた肌にうるおいを与えること。
- 「抗酸化作用」
- 肌の抗酸化という意味合いで使う場合、薬機法の効果効能を逸脱していると見なされるため使えません。※ただし、商品に配合している成分の配合目的を「製品の抗酸化剤」と記載することは、事実であれば可能になります。
- 「しわ予防」「たるみ解消」
-
化粧品では皮膚深部(細胞レベル)での生理代謝機能に影響を与えて、加齢による影響を防ぐものではないとされているので、これらの文言は使えません。
※ファンデーション等でメーキャップ効果によって、事実かつ物理的効果であることが明示されていればOKとなります。
- 配合目的のない成分:「ヒアルロン酸配合!」「ビタミンE配合!」など
- 化粧品類に配合した成分を強調したい場合、配合目的を入れなければ薬機法違反になる可能性があります。「ヒアルロン酸配合!」それだけの場合、実際よりもすごい効果効能があるように感じられてしまうためです。事実であることを前提に、「保湿成分としてヒアルロン酸配合」「ヒアルロン酸配合(保湿成分)」などの形式で何のために含めた成分かを入れる必要があります。
- 「角質層」の範囲を外れた浸透表現:「角質層の奥へ浸透」「肌の奥深くへ浸透」「肌の内側へ」など
- 化粧品の効果効能の範囲では化粧水や美容液等が浸透するのは角質層までとなりますので、それを超えて浸透すると暗示する表現は基本的に使用できません。肌に染み込むというニュアンスを表現したい場合、「肌へ浸透」だけでなく、注釈で「肌へ浸透※角質層まで」など補足することが求められます。なお、角質層の注釈があっても、「肌内部」「肌の奥深く」などの文言を使っていると角質層の更に奥まで浸透すると誤解される可能性もあるので、不適切とされています。
ここに挙げた一例以外にもNGとなる文言や細かいルールが存在しますので、使いたい文言やフレーズごとにチェックし、誤解が生じそうな箇所には注釈したり、ぼかした表現に言い換えたりすることで違反リスクを軽減できます。
【メイクアップ関連】
- ■基本的に標ぼうできる範囲
-
(17) (汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする。
(18) (洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)。
(19) 肌を整える。
(20) 肌のキメを整える。
(21) 皮膚をすこやかに保つ。
(22) 肌荒れを防ぐ。
(23) 肌をひきしめる。
(24) 皮膚にうるおいを与える。
(25) 皮膚の水分、油分を補い保つ。
(26) 皮膚の柔軟性を保つ。
(27) 皮膚を保護する。
(28) 皮膚の乾燥を防ぐ。
(29) 肌を柔らげる。
(30) 肌にはりを与える。
(31) 肌にツヤを与える。
(32) 肌を滑らかにする。
(33) ひげを剃りやすくする。
(34) ひげそり後の肌を整える。
(35) あせもを防ぐ(打粉)。
(36) 日やけを防ぐ。
(37) 日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。
(38) 芳香を与える。
(56) 乾燥による小ジワを目立たなくする。
メイクアップ(メーキャップ)関連の商品は、ファンデーションやチークなどのカバー効果で物理的に肌を美しく見せるというのが大原則で、肌自体がきれいになると捉えられる表現や、効果を誇張するような表現などがNGとなります。
■NGになる文言例
- 「シミがなくなる」「肌が白くなる」
- これらのように、シミ自体がなくなる(治癒する)と捉えられるものや、地肌が白くなると受け取られてしまうものなどは避けるべきワードになります。あくまでメーキャップ効果、色彩的な効果の範囲で表現することが求められます。「シミをカバーする」「メーキャップ効果によりそばかすを隠します」などが、適切な表現例です。
【リップケア関連】
- ■基本的に標ぼうできる範囲
-
(42) 口唇の荒れを防ぐ。
(43) 口唇のキメを整える。
(44) 口唇にうるおいを与える。
(45) 口唇をすこやかにする。
(46) 口唇を保護する。口唇の乾燥を防ぐ。
(47) 口唇の乾燥によるカサツキを防ぐ。
(48) 口唇を滑らかにする。
リップクリームや口紅のメーキャップ効果によって、キメを整えたり、乾燥を防ぐなどの範囲であれば可能です。色味やメイク後の仕上がりを説明することは差し支えないですが、あくまで「見た目を美しくする」製品のため、唇そのものが治癒し改善すると捉えられるような文言や、それだけで十分という誇大な表現は避けるべきです。
■NGになる文言例
「唇の荒れを治す」「塗るだけで完璧な唇に」など
【ヘアケア関連】
- ■基本的に標ぼうできる範囲
-
(1) 頭皮、毛髪を清浄にする。
(2) 香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。
(3) 頭皮、毛髪をすこやかに保つ。
(4) 毛髪にはり、こしを与える。
(5) 頭皮、毛髪にうるおいを与える。
(6) 頭皮、毛髪のうるおいを保つ。
(7) 毛髪をしなやかにする。
(8) クシどおりをよくする。
(9) 毛髪のつやを保つ。
(10) 毛髪につやを与える。
(11) フケ、カユミがとれる。
(12) フケ、カユミを抑える。
(13) 毛髪の水分、油分を補い保つ。
(14) 裂毛、切毛、枝毛を防ぐ。
(15) 髪型を整え、保持する。
(16) 毛髪の帯電を防止する。
毛髪に関しては、化粧品の定義の範囲内で、毛髪の損傷等の物理的な補修表現であれば事実である場合に限り「補修」という文言は使えます。ただし、手触りが良くなる、見た目をきれいにするという意味合いでの補修であり、髪の損傷を治療するような言い回し、回復、再生等を謳うことはNG、あくまでメーキャップ効果やスタイリング効果で物理的な効果を表す場合に限ってです。また、育毛や増毛に効果があるような表現もできません。また、シャンプーやリンスなどで「浸透」という言葉を使いたいシーンもあると思いますが、角化した毛髪部分の範囲内であれば謳うことができます。
■NGになる文言例
「髪が蘇る」「髪本来の美しさへ(回復)」「髪質改善」「修復」「髪が伸びる」「抜け毛」「育毛」
【オーラルケア関連】
- ■基本的に標ぼうできる範囲
-
(49) ムシ歯を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(50) 歯を白くする(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(51) 歯垢を除去する(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(52) 口中を浄化する(歯みがき類)。
(53) 口臭を防ぐ(歯みがき類)。
(54) 歯のやにを取る(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(55) 歯石の沈着を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
歯磨き粉などのオーラルケア関連についても、基本的には上記の標ぼうOKの範囲に沿っていれば問題ありません。ブラッシングありきでやにを取る、歯石の沈着を防ぐ、歯を白くする等はOKですが、歯磨き粉それだけで虫歯が治る、歯が白くなる等は虚偽・誇大広告に該当するため当然ながらNGです。
■NGになる文言例
「すべての歯に効くホワイトニング」「歯周病改善」「口臭0(ゼロ)に」
【その他・共通】
以下は景表法の観点から見てもNGなものもあり、化粧品だけに限らず、すべての事業者様に注意が必要な表現です。
- 「治る」「治癒」「発毛」「再生」などの医薬品のような表現
- これらのワードは医薬品以外、原則禁止されている表現です。病気や疾患を治す効果があると受け取られ、医薬品と混同される可能性があるためです。
- 「改善」という表現:「フケを改善」「しみを改善」など
- 上記に付随して「改善」もNGです。症状を改善できるかどうかは個人差があるため、「〇〇を改善」という表現は誤解を招き、誇大広告と見なされる場合があります。
- 「安心」「安全」などの表現:「赤ちゃんでも安心」「天然由来成分なので安心(安全)」「安全性は確認済み」など
- 「安心」は個人の主観であり、また「安全」文言についてもそれが確実である保証をするような表現は禁止されています。
- 最上級表現:「日本一の効果」「最高の効き目」「〇〇の王様」など
- 効能効果等又は安全性についての最大級の表現は消費者に過度な期待を抱かせるため禁止されています。
- 不確実な、または絶対的な表現:「必ず〇〇が改善する」「確実に効果がある」「わずか数日で効果が実感できる」「すべての人に効果あり」など
- 消費者の方へ過剰な期待を持たせる表現は原則禁止されています。
- 権威ある第三者が勧めている旨の表現:「医師もおすすめ」「皮膚科専門医推奨」「〇〇成分は学者も推奨」など
- 人の認識に影響が大きい医者や団体などが推奨しているという表現は原則NGです。
- 他社の製品の誹謗、比較広告:「〇〇社よりも〇〇成分配合」「一般の洗顔料では落としきれなかったメイクまで。」など
- 他社商品と比較して自社の商品が優れていると謳う広告は原則禁止されています。具体的な商品、ブランド等を明らかにしなくても、不適切な表現として指摘が入る可能性があります。
広告に使える表現や細かい規定を更に確認したい場合、日本化粧品工業連合会様が作成した化粧品等の適正広告ガイドラインが参考になります。薬機法を踏まえ、適正に広告するための細則や商材ごとの表現可能範囲が細かく記載してあります。
まとめ
薬機法は保健衛生や医薬品等の品質、消費者の安全などを確保する目的の他、市場で公平な競争を維持したり、医薬品等が適切に流通するために存在しています。
これから化粧品の企画製造を始める事業者様も、すでに商品をお持ちで広告を出している事業者様も、薬機法を正しく理解した上で消費者様に商品を提供できるように対策をしていきましょう。