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アフィリエイト広告を扱うASPの概要と利用するメリットを解説

Webマーケティング業界にいると耳にする「ASP」。皆様は言葉の意味をご存知でしょうか?
ASPは、アフィリエイトサービスプロバイダーを指す場合と、アプリケーションサービスプロバイダーを指す場合と主に2つのパターンがありますが、今回は前者であるアフィリエイトサービスプロバイダーについて、説明させていただきます。ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)が具体的にどんなものかわからない、どんな仕組みか知りたいという方に、参考にしていただければと思います。

アフィリエイト広告の概要については以下の記事でまとめていますので、合わせてご覧ください。

アフィリエイト広告とは?概要をわかりやすく解説
【広告出稿を検討中の方向け】
アフィリエイト広告とは?概要をわかりやすく解説

アフィリエイト広告とはWeb広告の一つで、成果報酬型の広告です。Web広告は掲載することで費用が発生するものや、ユーザーへ広告が表示されたら費用が発生するものなど、種類と費用形態が様々あります。

ASPとは?

ASP(エーエスピー)とは、アフィリエイトサービスプロバイダー(Affiliate Service Provider)の頭文字を取った略称で、アフィリエイト広告を扱うサービスのことです。アフィリエイト広告を出稿する広告主様と、アフィリエイト広告を掲載したい媒体様の仲介をする役割を担っています。

アフィリエイト広告は成果報酬型広告とも呼ばれ、広告主様の扱う商品/サービスを第三者である媒体様が成果報酬で掲載し紹介する形式の広告手法です。「商品購入」や「資料請求」など、広告を見たユーザー様がどんなアクションをすれば成果とみなし媒体様へ広告費を支払うのか、広告主様が決められるのですが、その成果を計測するための仕組みを提供しているのが、ASPということになります。

ASPをサービスとして提供している会社は日本に数十社存在しており、各社で特徴が異なります。ですが基本的なサービスとしてはどの企業様も共通しており、成果(=ユーザー様のアクション)を計測できるシステムを持ち、広告主様と媒体様両方の登録を集め、それぞれ専用の管理画面を発行できる仕様になっています。広告主様や媒体様は管理画面内でクリック数や成果数など広告の効果を計測・分析できます。

広告を掲載している媒体様から成果が出れば、広告主様は媒体様へ広告費を支払うことになりますが、ASPはその仲介手数料で収益を得て事業をするビジネスモデルです。

なお、Amazonや楽天などの大手ショッピングモールもASPシステムを持っています。物販の広告主様は、Amazonや楽天などに商品を出品していれば、それらのASPサービスを使ってアフィリエイト広告を展開することも可能です。ただし、広告を見たユーザー様がクリックして遷移する飛び先はAmazonや楽天内の商品ページになるため、自社サイトへの誘導はできず、あくまでショッピングモールへの流入がメインの広告になります。それに対していわゆる一般的なASPは、広告主様のLPやECサイトなどへユーザー様を誘導することが可能です。

ASPの仕組み

ASPではどのように「商品購入」や「資料請求」などの成果を計測しているのか。そんな疑問が湧くかもしれませんが、基本的には広告主様のサイトとASPシステムの連携をしていくことになります。方法は大きく分けて2種類あります。

■トラッキングタグ型
広告主様のLPや注文完了ページにASPタグを埋め込み、Cookieを使ってユーザー様を追跡しコンバージョンを計測する方法です。広告をクリックしたユーザー様にCookieを付与し、Cookieを持ったユーザー様が商品購入や資料請求などの申込みをするとASPシステムに成果が反映される仕組みです。
■ソケット通信型
広告主様のLPを訪れたユーザー様に個別のパラメータを付与し、パラメータを持ったまま商品購入や資料請求などの申込みを完了するとASPシステムに成果が反映される仕組みです。

どういった計測方法を選択するかはASPや広告主様の状況次第で異なりますが、いずれにしても広告主様はASPシステムへ成果を反映させるための技術的な対応が必要になります。

主なASPの例

ASPは複数あることをお伝えしましたが、中でも代表的なASPをいくつか紹介します。

オープンASP
■A8.net(エーハチネット)
株式会社ファンコミュニケーションズ様が運営する国内最代級のASPです。2000年からサービスを開始し、日本のアフィリエイト広告の黎明期から事業している老舗のサービスです。
■ValueCommerce(バリューコマース)
ヤフー株式会社様の関連会社である、バリューコマース株式会社様のASPです。A8.netと同様、1999年秋頃にサービスを開始している老舗のサービスです。大手企業含め数多くの広告主様が出稿しています。
■ACCESSTRADE(アクセストレード)
株式会社インタースペース様が運営するASPです。こちらも老舗で、長い運営実績とノウハウがあり、金融や物販、ゲーム系の広告主様も多く登録しています。
■afb(アフィビー)
株式会社フォーイット様が運営する、エステや美容系ECの広告に実績のあるASPです。SEOやWeb広告のコンサルティングを行う株式会社フルスピード様が親会社で、フルスピード様で2006年頃開始したサービスが後に分社化しました。
クローズドASP
■RENTRACKS(レントラックス)
株式会社レントラックスが運営するASPです。パートナーサイトを広く公募しないクローズドASPの先駆けで、サイト登録に一定の基準を設けることで成果獲得力のある媒体様と多く提携し、また広告主様・媒体様への手厚いサポートも実現させています。
■felmat(フェルマ)
株式会社ロンバード様が2012年から運営するクローズドASPです。完全担当制で、必ず担当がつくサポート力で他社との差別化を図っています。

ここでは挙げきれていないASPも数多くありますので、もっと色々知りたいという方はWebで検索してご確認ください。オープンASPとクローズドASPの違いは以下の記事で解説しています。

【広告主様向け】
クローズドASPとは?特徴と使うメリット

アフィリエイト広告を扱うASP(Affiliate Service Provider)を事業とする会社は複数あるため、アフィリエイト広告を出稿したいと思った際にどこに相談すれば良いか迷ってしまう広告主様も多いのではないでしょうか。

ASPを活用するメリット

成果報酬型広告を出稿する方法はASPを介す以外にもありますが、ASP企業と提携するメリットは数多くあり、効率的に広告を展開することが可能になります。具体的に説明させていただきます。

①システム制作の費用や期間が必要なくクイックにアフィリエイト広告を始められる

ASPサービスを利用すれば早くアフィリエイト広告を開始することが可能です。状況によりますがLPやバナー等の広告素材さえあれば、契約〜出稿開始まで最短数週間で開始できます。費用は初期費用3〜5万程度、月額費用4万前後が相場ですが、いずれも無料というASPもあります。初期費用も月額費用も無料で利用できるASPの場合、かかる費用は媒体様への成果報酬+ASP仲介手数料のみのため、完全に成果報酬で利用できるということになります。

②ASPが提携している多くのWebサイトへ出稿が可能

ASPは常時、数千〜数百万のWebサイトと提携しているため、その多くの登録サイトの中から広告主様の商品/サービスに合いそうなサイトへ掲載の交渉・アプローチができます。自社のみでアフィリエイト広告を完結しようと思った場合、掲載先候補のネットワークを一から営業・構築する必要があり、時間や工数がかかりますし、掲載のやり取りや広告費の支払いも複数あり管理が煩雑になります。ASPを介すことでそれらが1本化できるため、媒体様との一連のコミュニケーションがだいぶ楽になります。

③アフィリエイトマーケティングのノウハウがわかる

アフィリエイト広告で成果を伸ばすには、媒体様とコミュニケーションを重ねたり、競合他社の広告と負けないようなプロモーション設計にしたりと、継続的に手を加える運用が必要になります。ASPへ出稿開始したからといって手放しのままでは掲載数すら伸びないことが多く、成功させるためには市場に詳しいASP担当者が力強い味方になります。ASPによってサポートしてくれる範囲は異なりますが、多くの場合媒体様との連絡も代行してくれるので、広告主様の運用負担軽減にもなります。

ASP各社の違いとサービス選定のポイント

ASPは複数社あることをご説明しましたが、そうなるとどこを利用すれば良いか迷ってしまうかと思います。複数社に問い合わせ、どれくらい成果の獲得ができそうかを聞き検討するのが一般的な流れですが、成果件数の見積もりに加え、ASPごとに確認したほうが良い項目をいくつかご紹介させていただきます。

①登録サイト数

ASPによって提携している媒体様の数、つまり登録サイトの数が違いますので、契約を検討するASPではどれくらいのサイト数が登録されているのか、規模感を把握しておくのがおすすめです。サイト登録数の多さと成果が獲得できるか否かは比例しないため、あまり重視しなくても良い項目かもしれませんが、どれくらいの媒体様があり、どれくらいの掲載先候補が見つかりそうかをおおよそでも掴むために、確認しておくとベターです。

②登録サイトのチャネル・成果の獲得手法

登録サイト数に加え必ず把握しておきたいのが、登録サイトの集客や成果獲得の手法です。アフィリエイト広告はSEOサイト、ブログ、SNSなど様々な掲載先があり、媒体様によってどのようにサイトにユーザー様を集めているのかや、どのように成果を獲得するかが異なります。それに伴いASPも、それぞれどういった媒体様と多く取引があるのかが異なりますので、広告主様にとっては契約後掲載できるサイトの種類や特徴が違ってきます。SNSへの広告掲載を制限しているASPもあったり、リスティング広告などに出稿している媒体様と多くお付き合いがあったり、運営方針も異なりますので、登録サイトの特徴や掲載できるチャネルは確認しておくと良いです。

掲載先にどういった種類や特徴があるのか知りたい方は以下の記事をご覧ください。

【広告出稿を検討中の方向け】
アフィリエイト広告の掲載先はどこ?種類や特徴まとめ

アフィリエイト広告は成果報酬型の広告で、掲載先の媒体様が出した「成果」の数に応じて広告費が発生します。何を「成果」とするのか(成果地点)や、その成果にいくら支払うのかを広告主様が自由に決めて広告出稿ができるため、Web広告の中でも費用対効果が高く低リスクな広告手法です。

③ノウハウのある広告ジャンル

ASPは多種多様な業種の広告を扱っており、それぞれで得意とする広告ジャンルが異なります。自社の商品/サービスが該当する広告ジャンルに強いASPはどこか、確認して契約を進めるのがおすすめです。例えば金融系商品を扱っている広告主様であれば、金融系広告にノウハウがあるASPを選ぶことで、成果報酬の単価相場やどのようなサイトで獲得できそうかのアドバイスが得られる可能性があります。特定の広告ジャンルにノウハウがあると、=必然的に登録サイトもそのジャンルの媒体様が多いことになりますので、掲載もスムーズに進む可能性があります。

④サポート体制

ASPにより、広告主様及び媒体様に提供しているサービスやその範囲が異なりますので、契約後どんなサポートが受けられるのかは確認しておくのがおすすめです。例えばアフィリエイト広告に知見がないため、ASP担当者と二人三脚で一から掲載をしていきたいという希望があった際に、人が介在してサポートする特徴があまりないASPを利用してしまっては、思ったように運用できなかったということにもなりかねません。契約前に、どのようにアフィリエイト広告を運用していきたいのかを伝え、それを叶えてくれるのかを確認しながら契約を検討するのが安心です。

⑤初期費用、月額費用の有無

ASPにより初期費用・月額費用が異なりますので、各社確認して比較検討しましょう。考え方としては費用が高いからNGとしてしまうのではなく、受けられるサポートや、どれくらい成果が伸ばせそうかの見積もりも含めて総合的に比較し、判断するのが良いです。当然のことながらアフィリエイト広告は成果獲得がメインの目的になるかと思いますので、単純な価格比較ではなく目的達成できそうなASPはどこかという観点で選ぶことをおすすめします。

これらの特徴を踏まえて、自社に合うサービスはどれかを検討し、目標達成のために一番使いやすいサービスを選ぶことがアフィリエイト広告の成功の鍵を握ります。

ASPを利用する流れ

使用するASPが決まったら、概ね以下の5ステップで掲載開始します。

  • 契約
  • 広告素材の準備・入稿
  • システム連携・成果テスト
  • ASP管理画面へ広告公開
  • 各媒体様と提携・掲載開始

アフィリエイト広告が他のWeb広告(リスティング等)と少し異なる点としては、ASPのシステム上で広告を開始してもそれがすぐに色々なサイトで掲載されるわけではありません。サイトを運営する媒体様側が掲載する広告を選び記事を書いて手動で掲載するため、徐々に掲載サイトを増やしていくことになります。

もっと細かくステップの詳細を知りたい方は以下の記事でもご紹介しています。

【広告出稿を検討中の方向け】
アフィリエイト広告導入までのステップ

アフィリエイト広告は成果報酬型の広告です。掲載先の媒体様が出した成果に応じて広告費が発生する費用形態で、何を「成果」に設定するのか、それにいくら支払うのかを広告主様が決められる特徴があります。

まとめ

今回はASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)の概要やメリットなどをご説明しました。

ASPを使えば成果報酬型広告の出稿やサイト管理・広告費の支払いなど、運用がシンプルかつ楽になります。広告の出稿をご検討されている広告主様は、自社に合うASP選定やアフィリエイトマーケティングのヒントに、本記事をぜひ参考にしてください。

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