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SNS広告の基本と成功ポイント|主要6大SNSの違いも解説
今やWebマーケティングに欠かせない存在となったSNS。企業の活用事例としては、公式アカウントを開設して情報を発信する方法が一般的ですが、実は広告を出稿するという選択肢もあることをご存じでしょうか?
各SNSで公式アカウントを開設するのは無料ですが、投稿を継続したりフォロワーを増やしたりと、人目に触れるまでには中長期的な運用が求められます。一方、SNS広告を活用すれば、コストはかかるものの、狙ったターゲット層に対して即時に商品やサービスをPRすることが可能です。
今回は、そんなSNS広告の概要や種類、メリット・デメリット、効果を出すためのポイントなどをわかりやすくご紹介します。Webマーケティング施策の参考として、ぜひご活用ください。
SNS広告とは?
SNS広告とは、SNS(Social Networking Service)上に出稿する広告の総称です。現在、日本で特によく利用されているSNSとしては、X、Instagram、TikTokなどが挙げられます。各プラットフォームには独自の広告メニューが用意されており、出稿することでそれぞれのユーザー層に向けて商品やサービスをアピールすることが可能です。
これまでのSNS広告は、バナー画像やテキストによるシンプルな形式が主流でしたが、近年では動画やカルーセル(複数の画像・動画をスライド形式で表示)など、より表現力の高いフォーマットも増加。視覚的に訴求力のある広告で、一度に多くの情報を届けることができるようになりました。
SNSは各媒体ごとに国内数千万人のアクティブユーザーを抱えており、10代から年配層まで幅広い年代に利用されています。今やSNSは、消費者にアプローチする上で欠かせない手段と言えるでしょう。
また、SNS広告は他の広告手法と比べて比較的低予算で始められる傾向があり、コストを抑えつつ効率よく集客したい企業には特におすすめです(※運用方法によりコストは異なります)。
SNS広告とWeb広告の違い
Web広告(インターネット広告)とは、インターネット上に表示される広告全般を指します。具体的には、リスティング広告、ディスプレイ広告、純広告(バナー広告)、アフィリエイト広告など、さまざまな手法が含まれます。
SNSもインターネット技術を活用したプラットフォームであるため、広い意味ではSNS広告もWeb広告に分類されます。ただし、あえて使い分ける場合、一般的に「Web広告」はGoogleやYahoo!、各種Webサイトなどに配信される広告を指し、「SNS広告」はX(旧Twitter)やInstagramなど、SNS上に配信される広告を指します。
つまり、Web広告とSNS広告の主な違いは、広告が配信される媒体(プラットフォーム)にあります。

Web広告とは?12つの種類とその特徴をご説明
Web広告は広告の一種で、ネット上のWebメディアやアプリ等に掲載される広告の総称です。インターネット広告、オンライン広告などとも呼ばれます。
SNS広告のメリット
SNS広告にはいくつか媒体があり、それぞれ特徴が異なりますが、共通して言える利点も存在します。全体的に以下のようなメリットがあります。
①潜在層へのアプローチが可能
SNSは他のWebメディアよりもユーザーが繰り返し、日常的に訪れる特徴があるため、潜在顧客へのアプローチや認知度UP、ブランディングにも適しています。同じ人に何度も広告を見てもらえる確率が高いので、何度も接触するうちに商品やサービスに興味を持ってもらえたり、好意的な印象を残す効果(単純接触効果)が期待できます。
②ターゲティングの精度が高い
SNS広告の大きな特徴の一つが、高いターゲティング精度です。
- ▼ターゲティング精度が高い理由
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- アカウント作成時に登録される年齢、性別、居住地、興味関心などの属性データを保有しているため
- 「いいね」や閲覧履歴、フォローアカウントの傾向などの行動履歴から、興味関心を把握できるため
- ユーザー属性ごとの興味関心を分析・データとして蓄積しているため
こうしたデータに基づき、ユーザーごとにパーソナライズされた広告を表示できるのが、SNS広告の強みです。ターゲティングの精度が高まれば、無駄な広告出稿を避けられるため、反応率の向上や出稿費用の削減といった、高い広告パフォーマンスにもつながります。
また、パーソナライズされた広告は、ユーザーにとって「自分ごと」として受け入れられやすく、違和感やストレスを感じにくいという利点もあります。一般的に、関心のない広告は“邪魔”と捉えられがちですが、SNS広告は他の投稿と自然に馴染むフォーマットで表示されるため、広告であってもスムーズに認知を広げたり、ファンの獲得につなげたりすることが可能です。
Web広告にもターゲティング機能はありますが、SNSのように詳細な個人データを活用できるケースは少なく、ターゲティング精度の高さはSNS広告ならではの大きな強みと言えるでしょう。
③リアルタイム性があり、メッセージや画像の調整も適宜可能
SNS広告はその日ごとに広告予算やメッセージ・広告素材(画像)を調整しながら出稿する、運用型広告の一種です。一度出稿してしまうと修正しづらいテレビCMや看板広告、バナー広告などよりも、広告素材を日々更新しながら効果を高めていくことができるため、ユーザーの反応やトレンドをリアルタイムで反映することができる点がメリットです。
④効果測定が容易
SNS広告のメリットのひとつは、インプレッション数、クリック数、コンバージョン数など、ユーザーの反応を詳細なデータとして即時に取得できる点です。これにより、キャッチコピーや画像などの広告要素がユーザーにどう評価されたのかが、数値として可視化され、効果の良し悪しを合理的に判断することができます。
また、日々蓄積されるデータを活用し、PDCAサイクルをスピーディーに回すことで、運用次第では低コストで高い広告効果を得ることも可能です。
なお、効果測定ができるのはSNS広告に限らず、他のWeb広告にも共通する特長ですが、SNS広告は高いターゲティング精度と低予算での出稿が両立できる点から、テストマーケティングに非常に適した手法と言えるでしょう。
SNS広告のデメリット
反対に、SNS広告のデメリットもご紹介します。メリットと表裏一体な部分もありますが、以下2点が特に注意すべき点です。
①広告疲れで効果減少
SNSでは常に多くの広告が流れているため、ユーザーが広告に対して「広告疲れ」を感じ、クリックや申込みなどの反応がしにくく、無視されることも多々あります。特に同じターゲットへ頻繁に広告を表示していると、効果が薄れる可能性があるため、その点は対策が必要です。例えば広告の画像やメッセージを頻繁に変更するなどの方法でまた目を向けてもらう工夫を施したり、ターゲティングを変えて新しいユーザー層にアプローチするなど、日常的に出稿をチューニングしていく手間は発生します。
②ネガティブな反応があることも
SNSはユーザーが自由にコメントや意見を投稿できるため、広告に対してネガティブな反応が集まることもあります。また、先にご紹介した単純接触効果(繰り返し情報に触れると興味や好意が湧く心理効果)はネガティブな反応に対しても起こりうる点にも注意が必要です。あまり好ましくない画像やメッセージを繰り返し広告で見せると、ユーザーに嫌悪感を抱かれ企業やブランドイメージを損ねるリスクとなる場合もあります。この点に留意の上、クリーンで過度な表現のない広告運用を心がける必要があります。
SNS広告の種類
ここからはSNS広告の具体的な媒体例をご紹介します。
SNSにはいくつか種類がありますが、日本で特に利用される以下の6つのSNSは「6大SNS」と呼ばれており、広告配信も盛んです。
- 【6大SNS】
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- X
- TikTok
- LINE
- YouTube
それぞれ提供している広告メニューの特徴をご紹介します。
①X広告
X広告(旧Twitter広告)は、主にXのタイムラインや検索結果画面に表示する広告です。Xは無料アカウントさえ作れば、どんな人でも短文で今の気持ちや情報を発信できるのが特徴のSNSです。リアルタイム性と拡散力が最大の強みで、いち早くトレンドや話題の情報をつかめるため人気です。そんなX上で展開するX広告は、一般ユーザーのポスト(投稿)と同じようなフォーマットで広告を表示させることができるため、Xの利用者に自然に広告を見てもらうことができます。テキストでの訴求のほか、画像や動画をつけることも可能です。
- ▼SNS利用者のデータ
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X:https://x.com/
利用者数:6,700万人※2023年月1回以上の利用者平均
年代:20代の利用率8割、次いで10代、30代が多くそれぞれ6割程
X広告のメリットはなんと言っても拡散力の高さ・情報伝達力の速さです。20ほどの広告フォーマットのうち、ほとんどが通常の投稿と同様にユーザーが「いいね」や「リポスト」といったアクションを起こせるため、うまくプロモーションすれば低コストで大きな反響が得られます。
②Instagram広告
Instagram広告(インスタ広告)は、アメリカのMeta社(Meta Platforms, Inc.)が提供する広告メニューです。Instagramは写真や動画の投稿が中心のSNSなので、広告も同様に画像や動画での訴求がメインで、視覚的にインパクトのあるPRができます。Meta社はFacebookも提供している会社なので、Facebookのデータも活用しながらターゲティングできるという最大の強みが特徴です。インスタではユーザーの行動履歴から興味関心を学習するアルゴリズムを持ち、それに加えてFacebookのデータベース(実名や生年月日など)を組み合わせ、高いターゲティング精度を実現しています。
掲載する広告は一般の投稿と変わらない形式でフィードやリール、発見タブなどに表示され、自社の商品やターゲットによって細かく調整できます。最低出稿額一日100円〜広告が出せるので、広告予算がそこまで取れない企業様でも手軽に出稿できる広告です。
- ▼SNS利用者のデータ
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Instagram:https://www.instagram.com/
利用者数:6,600万人以上※2023年12月時点
年代:10代、20代の約7割が利用しているほか、30~40代も多い
引用元:Instagram マーケティング JP(@FBBusinessJP)、総務省,令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書
SNS利用者の属性が商品/サービスのターゲット層と合致する商材や、ビジュアル重視の商材、視覚に訴えやすい商材などがInstagram広告で特に高い効果が期待できます。例えばファッション・コスメはもちろん、綺麗な景色や体験を写真で見せられる旅行・レジャー系の商材、食べたい欲求を喚起できる食品・飲食店なども向いていると言われています。
③Facebook広告(Meta広告)
Facebook広告はインスタ広告同様、Meta社が提供する広告メニューです。2021年、Facebook社が社名を「Meta」へ変更したことで、Meta広告と呼ばれることが多くなりました。Facebookは実名登録制のSNSで、家族や友だち、仕事仲間など、周囲の人とのつながりを重視している特徴から、人と人の交流や情報収集などに利用されています。そんなFacebookが提供しているFacebook広告の特徴は、ユーザーのアカウント情報を利用した精度の高いターゲティング機能です。先述のとおりFacebookはアカウント作成時には実名登録が基本となっている上、年齢や性別、出身地や経歴、既婚/未婚などのプライベート情報が設定できるため、Facebookのデータベースではユーザーの細かい属性を詳細に把握できています。また広告の掲載先としてはFacebookやMessenger、Instagramに配信できるほか、Facebookが提携している様々なアプリやWebサイトにも配信可能です(Audience Network)。
- ▼SNS利用者のデータ
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Facebook:https://www.facebook.com/
利用者数:2,600万人※2019年7月時点
年代:30代~50代の利用率が高い
引用元:CNET Japan,フェイスブック ジャパン長谷川代表が語る「退任の真意」--独占ロングインタビュー、総務省,令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書
FacebookやMessengerはビジネスマン、特に30〜50代の中堅や経営層によく利用されるので、その2媒体は特にビジネスマン向けの商材やBtoB商材に向いていると言えます。また配信先をインスタや提携サイトまで広げれば、さらに様々なユーザー層にアプローチできます。
④TikTok広告
TikTok広告は、「TikTok Ads」という広告配信プラットフォームで提供されているTikTokの広告メニューの総称です。TikTokは15秒ほどのショートムービーの投稿がメインのSNSなので、広告も同様、動画で動きのある訴求が主となります。通常の動画投稿と同じような形式で広告表示できるインフィード広告のほか、アプリ起動時に全画面に広告を表示させる起動画面広告、ユーザーを巻き込むハッシュタグチャレンジ広告などのフォーマットがあります。ハッシュタグチャレンジはTikTok上のインフルエンサーやユーザーに任意のハッシュタグを用いた投稿を促す広告メニューのため、高い拡散力が期待できます。ただし、インフィード広告や起動画面広告とセットメニューになっているためコストは高めです。
- ▼SNS利用者のデータ
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TikTok:https://www.tiktok.com/ja-JP/
利用者数:950万人※2018年時点
年代:10代の7割が利用。次いで20代、30代と若年層が多い
引用元:CNET Japan,「TikTok」、クリエイター育成プログラムを開始--2018年のMAUは950万人、総務省,令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書
※利用者数について最新の国内利用者数の公表はありません。ただ以下の記事によると2024年11月時点で3,300万人以上のアクティブユーザーがいることが公式ウェビナーの中で語られたようです。
株式会社コムニコ様,SNS運用のヒントが見つかるメディア We Love Social,「【2025年4月版】人気SNSのユーザー数まとめ」
TikTokは一個一個の尺が短く手軽に見られるという特徴から、「ながら視聴」をするユーザーが少なく、音声ONで積極的に見られるという傾向があり、広告の視認性も高いのがメリットです。
ユーザーの特徴として10〜20代の利用が圧倒的に多いため、商品/サービスのターゲット層と合致すれば強い広告媒体となります。若い世代向けのBtoC商材や、単価が高くなく気軽に買いやすいものなどが相性が良い傾向があります。
⑤LINE広告
LINE広告は、LINEで配信できる広告です。LINEの利用者数は国内で9,700万人、日本人の大多数が利用しており、連絡ツールとしてもはや欠かせないSNSです。他のSNSは知らなくてもLINEは知っているという人もいるくらい、認知度も高く馴染みのある媒体です。
LINE広告のメリットは、なんといっても年代問わない圧倒的なリーチ力と、多様なターゲティング方法・掲載面を持っている点です。利用者数の多さから様々なターゲティングでテストできますし、さらに複数の配信面も活用しながら様々なアプローチ方法が検討可能です。配信先の例としてはLINEアプリ内やLINEが運営している他サービス(LINE漫画など)内に加え、LINEが提携している11,000程(※)の外部のアプリメディアへも広告配信が可能です。うまく活用すれば、多くの潜在層へアプローチできます。※2024年9月時点
- ▼SNS利用者のデータ
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LINE:https://www.line.me/ja/
利用者数:9,700万人※2024年9月末時点
年代:10代〜60代の9割が利用。年代問わず幅広く使われている引用元:LINEヤフー株式会社,LINEヤフー for business、総務省,令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書
審査基準が高い点、XやTikTok等よりも拡散力は弱い点などのデメリットは挙げられますが、逆を言えば審査が通過すれば競合会社は多くないので、高い広告パフォーマンスが期待できます。ユーザー数の多さという媒体メリットを活かすには、ニッチで特定のユーザー層向けに特化している商材よりも、幅広い年代の人に訴求できる商材を認知度UPやブランディング目的で出稿するのがおすすめです。またLINEに集まるユーザーは誰かに連絡するためにアプリを見ていることが多い(=購入する意欲が高まっていない)という点を考えると、購入や契約を目的とする場合は、購入や申込みハードルの高くない商材が望ましいと言えます(サンプル購入や資料請求など)。
⑥YouTube広告
YouTube広告は、Google社(Google Inc.)が提供している広告サービスで、動画投稿型のSNS、YouTubeに出稿できる広告全般のことです。いくつか種類があり、動画が再生される冒頭や動画の途中、最後などに動画広告を流せるフォーマット(インストリーム広告/バンパー広告)の他、関連動画の中に広告を出すフォーマット(インフィード広告)や、視聴中の動画の下部分にバナーを出すフォーマット(オーバーレイ広告)など、多様な広告メニューがあります。
- ▼SNS利用者のデータ
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YouTube:https://www.youtube.com/
利用者数:7,370万人※2024年5月時点
年代:10代~40代の9割が利用
引用元:日本経済新聞.YouTube国内月間視聴者7370万人 猫ミーム16億回再生、総務省,令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書
動画広告はテキストや画像の入稿で済む他の広告に比べて製作に手間がかかるため、企画〜撮影・製作にかかる期間やコストを見積もっておく必要があります。その点はデメリットとも言えるので、すぐ広告や成果を出したい企業様には向かないこともありますが、動画は視覚・聴覚に多くの情報を伝えることができ認知度UPやブランディングには最適なため、中長期的にブランド価値を向上させたい際には出稿のご検討をおすすめします。
SNS広告で成果を出すポイント
最後に、SNS広告で成果を出すためのポイントを解説します。主に押さえておくべきは以下の3点です。
①ペルソナを明確にする
②複数の広告クリエイティブを用意し目的や媒体ごとに変える
③日々PDCAを回す
①ペルソナを明確にする
まずは、ペルソナを明確にすることが重要です。ペルソナとは、簡単に言うと商品/サービスを利用する顧客像のことです。年齢、性別、職業、性格やライフスタイルなど徹底的に作り込み、その人がどんな悩みを抱えたときに自社商品を買うのか?購入ストーリーをイメージさせたものです。ペルソナが明確になれば、どのSNS広告を使えば最もそのユーザーが集まりそうか、どういったターゲティング・メッセージで広告を出稿するのが効果的なのかなど、広告戦略を具体的に定めやすくなります。
例えば20代女性向けのコスメをSNS広告でPRしようと思った際、単純にTikTokが流行っているからTikTokで広告を出そうという判断もあると思います。それも間違いではないですが、誰に対してどのような広告を見せたいのか?が定まっていなければ、広告の効果が半減することにも繋がります。それよりは、20代女性・多忙な営業職で可処分時間がないため情報収集はTikTokよりもXを活用する。」といったようにSNSの利用シーンや生活習慣まで消費者をイメージできれば、最適な出稿先・メッセージを選べる可能性が高まります。
商品企画段階、コンセプトを定める段階ですでにペルソナが決まっていれば広告も一貫性がもてるためベストですが、もし自社商品/サービスのターゲットやペルソナがわからないという場合には、どういった人が自社商品を求めているのか?一度見直ししてみてください。誰に売りたいかという企業目線よりも、どういった人が自社商品を欲しているのか?という消費者目線で考えるのがポイントです。ときにはリサーチ会社などに依頼して、消費者ニーズの深堀りや再発見から始めても良いかもしれません。
②複数の広告素材を用意し目的や媒体ごとに変える
SNS広告で効果を出すには、媒体や目的ごとに広告クリエイティブやLP(ランディングページ)を変えることをおすすめします。理由は、いくつか挙げられます。
- 媒体ごとに集まるユーザー属性が異なるため
- 目的ごとに広告内で訴求すべきメッセージが異なるため
- 一つの広告素材・LPでは広告効果の評価がしづらく、改善がしにくいため
特に重要なのは、3つ目のポイントです。1つのLPや広告素材(画像)だけでは、広告の良し悪しを正確に判断することができず、改善点も見えづらいため、PDCAを回せなくなる恐れがあります。そのため、複数の広告素材を使ってテストを行い、効果を最大化していく必要があります。
例えば、あるLP(LP1)がCVR(コンバージョン率)5%で新規顧客を獲得できていたとします。一見すると好調に思えるかもしれませんが、比較対象がなければその数値が妥当かどうか判断することは困難です。
一方、LP2でCVR10%、LP3でCVR6%というデータが得られれば、LP1は相対的にパフォーマンスが劣っていると判断でき、改善すべきポイントが明確になります。
(※広告効果の判断指標はCVRだけではありませんが、ここでは一例として紹介しています)
このように、SNS広告を効果的に運用するには、テストとデータ分析が欠かせません。広告素材やLPの使い分けはもちろん、出稿先やターゲティング設定も含めて複数のパターンでA/Bテストを行い、どの組み合わせが最も成果につながるかを見極めながら、定期的に広告内容を改善していきましょう。
③日々PDCAを回す
最後に、SNS広告では、日々データを確認しながら、予算や広告素材を調整していく運用が非常に重要です。継続的に同じ条件で出稿し続けていると、広告効果が薄れたり、「気づかないうちに赤字だった」「もっと成果を出せたかもしれない」といった事態を招くこともあります。
さらに、ユーザーの関心やトレンドは常に変化しており、響くメッセージも時期によって異なるため、定期的なチューニングが欠かせません。
たとえば、旅行予約サイトの広告を5月以降も「お花見に出かけよう」といった桜の素材で出稿していても、申込みは期待できないでしょう。また、忙しい年末には「今予約したら割引」といった訴求よりも、「簡単3ステップで予約完了」のような手軽さを強調したメッセージのほうが、多くの反響を得られる可能性があります。
こうしたユーザー心理や季節感を踏まえた訴求の最適化が、広告効果を最大化する鍵です。
ターゲティングも同様です。たとえば「30代・会社員女性」に絞って広告を配信していたとしても、実は20代や男性の方がニーズを持っている可能性もあります。思い込みにとらわれず、ターゲットを広げたり、訴求を変えたりしながら、反応の良い層やクリエイティブに対して予算を集中させる――こうした柔軟な運用こそが、SNS広告を成功に導くポイントです。
まとめ
今回は、SNS広告の概要や種類、効果を高めるためのポイントについてご紹介しました。
SNSは、ユーザーとの接点をつくり、ファンを育てていくうえで非常に有効なツールです。
企業のブランディングや集客施策として、まだSNSを活用していない企業様や、公式アカウントの運用だけでは成果が出にくいと感じている企業様は、ぜひSNS広告の活用を検討してみてください。