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アフィリエイト広告のEPCとは?
概要や重要性などを広告主様目線で解説

CVR、CTA、PPC、LPなど、Web広告の業界では様々な略語があります。今回ご紹介するのはEPC。Web広告の中でもアフィリエイト広告領域で多く使われる概念のため、少し理解が難しいという方もいらっしゃるかもしれません。

ただ、アフィリエイトマーケティングを攻略する上では押さえておくべき用語なので、アフィリエイト広告に出稿している・これから出稿する広告主様はぜひご覧ください。

EPCとは

EPCとは、Earning Per Clickの略語で、広告1クリックあたりに得られる収益のことを言います。アフィリエイト広告を掲載する媒体様は、自分のサイトへどの広告を掲載するか、判断基準の一つとしてこのEPCを利用します。例えば、広告Aと広告Bがあった際に、EPCが高いほうが媒体様に選ばれやすいということができます。

EPCの算出方法

EPCの算出方法はいくつかありますが、よく用いられる計算式としては以下のとおりです。

アフィリエイトの発生報酬総額÷総広告クリック数(発生報酬ベースのEPC)
もしくは
アフィリエイトの確定報酬総額÷総広告クリック数(確定報酬ベースのEPC)

発生報酬とは、商品購入や申込みなど、成果地点に到達したユーザー様ごとにASP管理画面へ計上される報酬です。アフィリエイト広告では、発生した成果ごとに承認/却下を判断し、承認したものに対して広告費を支払う仕組みのため、承認される前の発生報酬では、そのうちいくら貰えるのか媒体様には分かりません。発生報酬は言わば仮の報酬額です。それに対して確定報酬とは、承認されて支払い対象となった報酬額のことを差します。つまり、媒体様にとっては実際の収入となる報酬です。

成果承認の概要について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

【広告主様向け】
成果承認について~広告費のお支払いまで流れの解説~

アフィリエイト広告を出稿する際によく耳にする「成果承認」という言葉があります。広告費に関わるものにもかかわらず他のWeb広告にはない概念なので、今回はその成果承認について詳しく説明していきます。

EPCについて具体例でお伝えします。例えば化粧品の広告Aで、以下のような状況があった場合。

■化粧品の広告A
  • 成果地点:商品購入
  • 成果単価:1,000円/件
  • 却下条件:購入後キャンセル、返品
  • アフィリエイトサイトAで広告のクリック数が150回、10人商品購入してくれて、うち2人が購入後返品したため成果却下。

このとき、発生報酬・確定報酬、EPCはそれぞれこのような計算になります。

発生報酬:1,000円×10人=10,000円
発生EPC:10,000円÷150クリック=66円

確定報酬:1,000円×8(10-2)人=8,000円
確定EPC:8,000円÷150クリック=53円

なお、EPC53円は=広告1クリックあたり53円の収益が見込める、と言い換えることができます。実際に広告がクリックされるごとに53円もらえるわけではありませんが、掲載する広告を選ぶ一つの指標として用いられ、広告ごとのEPCは媒体様専用のASP管理画面で見ることができるようになっています。

EPCが媒体様に重要視される理由

ではなぜ、媒体様はEPCを重視するのでしょうか。端的に言うと、Webサイトやブログを運営している中で、より収益が見込めそうな広告案件を掲載したほうが収入を増やしやすいからです。そのため、EPCの値が高い広告を選んで掲載する傾向があります。

アフィリエイト広告は、商品購入や申し込みなど、広告主様が任意で設定した「成果」が出なければ、媒体様は収入が得られません。掲載した広告がどんなに見られていても、またはクリックされる回数が多くても、ユーザー様が成果地点に到達しなければ収益は0のため、収益を立てやすい広告を選ぶことはある意味媒体様にとって死活問題になります。もちろん、商品認知度やトレンドなど、その他重要視される項目はいくつもありますが、それに加えてEPC、つまり「媒体様が収益を立てやすい広告であるか否か」も追求していったほうが、媒体様の協力が得られやすく、アフィリエイトマーケティングがうまくいく傾向があります。もしアフィリエイト広告でもっと成果を伸ばしたいと思った際、行き詰まりを感じた際には、自社広告のEPCを算出してみて、低い場合には改善する施策を検討することも成功に向けた一つの方法になります。

EPCを指標化するときの注意点

広告主様がEPCを指標にしてアフィリエイト広告を運用する際に、注意すべきポイントを2つご紹介します。

①EPC比較は同じジャンルの広告でしましょう

アフィリエイト広告は広告ジャンル(業界)ごとに成果単価や収益性の相場が違うので、EPCについても同じカテゴリに属する広告同士で比較するのが一般的です。例えば化粧品の広告と金融会社様の広告をEPCで比べても、あまり意味のある比較にはなりません。自社広告のEPCについて高い/低いを分析したい際や、EPCを上げていきたいと思った際には、同じカテゴリに属する競合会社の広告と数値比較してみましょう。

②重要視すべきは確定ベースのEPC

先に紹介した通り、EPCは発生報酬から割り出す値と確定報酬から割り出す値がありますが、特に追求すべきは確定報酬のEPCです。媒体様の実際の利益になる報酬を考えてあげたほうが、掲載する広告として選んでもらいやすくなりますし、改善できるポイントが多く挙げられるためです。媒体様専用のASP管理画面上では発生報酬のEPCが表示されることが多いため、発生報酬のEPCも大事ですが、それだけだと承認率が加味されていない値になっており、その点は媒体様も理解の上で参考値として閲覧していることが多いです。

EPCを上げる方法

広告主様がEPCを上げたいと思った際、どのような方法があるのか説明していきます。その前にまず、EPCの別の計算式をご紹介します。先の文章では、よく使われるEPCの計算式として、確定報酬総額÷総広告クリック数という式をご紹介しました。このうち確定報酬の構成要素を分解すると、成果単価、CVR、承認率で構成されていますので、実はそれらをかけ合わせた以下の式でもEPCが算出できるようになっています。

成果単価×CVR×承認率=確定ベースのEPC
※成果単価×CVR=発生ベースのEPC

広告ごとのEPCの比較は「同じクリック数があった場合にどちらの方が収益性が高いか」ということですので、クリック数については約分して数式から省略できるという考え方です。つまり、これら「成果単価」「CVR」「承認率」の、それぞれの値を上げることができれば、EPCも上がるようになっています。

【確定ベースのEPCを上げる方法】
①成果単価を上げる
②CVRを上げる
③承認率を上げる

①〜③をそれぞれ詳しく解説します。

①成果単価を上げる

成果単価は、成果1件あたりにいくら支払うかを定めたものです。EPCを上げる施策の中で、一番シンプルで対応しやすいのがこの成果単価を上げる方法です。ASPの担当者に相談すれば、ASPシステム上で設定を変更することで、媒体様への成果単価を上げられます。なお、単価を上げるには大きく分けて2つ、獲得力のある媒体様のみ個別で単価を上げる方法(特別単価)と、全サイトの単価を一律で上げる方法があります。獲得力のある媒体様のみ単価UPする方法でも全体的なEPCを上げることができますが、どちらのほうが良いかは戦略や状況によるので、ASPに相談してみることをおすすめします。

ただし、広告主様によって許容できるCPAやアフィリエイト広告に対する予算が異なると思いますので、むやみに単価を上げるよりも可能な範囲で対応するのが得策です。現在成果一件ごとの利益でCPAを考えている場合には、継続率を含めたLTVをもとに許容CPAを出し直してみるのも良いと思います。

②CVRを上げる

CVR(Conversion Rate)は、広告がクリックされた(=LPに訪問した)回数のうち、何割の人が成果地点に至ったかを表す指標です。成果数÷クリック数(LPへの流入数)×100で算出できます。例えば成果地点を商品購入に設定して広告を出稿した際に、クリックが100回、商品購入が10件あれば、10÷100×100=CVR10%となります。

CVRは言わば「成果発生のしやすさ」です。仮にLPの構成が悪く申込みがしづらかったり、メッセージ性が薄かったりすると、ユーザー様はすぐ広告から離れてしまうので、クリック数(訪問数)が増えても成果が発生しません。そうなると結果的にCVRが下がり、更にEPCも低下し、媒体様の収益に繋がらない広告になってしまいます。

CVRを上げる方法は、LPやLP内のエントリフォームを見直すことです。それらを改善し申し込み率を上げていくことをLPO(ランディングページ最適化)、EFO(エントリフォーム最適化)などと言ったりしますが、LPOをサービス提供している企業様はいくつかあるので、そういった外部企業に相談するのも一つの方法です。CVRが上がれば、EPCアップはもちろん、成果単価を据え置きのまま、成果件数を伸ばすことができます。改善箇所の調査や分析、改修等に多少工数・コストがかかりますが、積極的に取り組むことをおすすめします。

③承認率を上げる

承認率は、ASP管理画面に反映した発生成果のうち、何割が承認され広告費として認められるのかを表す指標です。承認率(%)=(承認成果数÷発生成果数)×100の式で算出できます。
承認率を上げる方法は却下条件(もしくは承認条件)の見直し、成果地点の見直しなどが挙げられます。

まず却下条件とは、広告主様がアフィリエイト広告を始める際に定める取り決めの一つです。発生した成果のうち、広告費を支払えないケースをまとめたもので、例えば商品購入が成果地点であれば、却下条件には「注文後30日以内のキャンセル、返品、転売目的の購入」など、ユーザー様がどんな行動をとったら成果を却下にするかを定めて媒体様へ提示しておきます。そうすることで、媒体様は成果の一部がある程度却下されることを認識した上で広告を掲載してくれます。仮にこの却下条件を多く設定し、承認されることのほうが少なくなってしまうような条件で広告を出稿していると、当然ながら承認率は低くなります。自社広告で多くなっている却下理由を特定し、それが却下条件を見直すことで解消されそうであれば解消してあげるのがベターです。

承認率の改善でもう一つ挙げられるのが成果地点の見直しです。アフィリエイト広告開始時に決めた成果地点について、成果発生〜成果承認する条件に達するまでの難易度が高い場合、承認率が低くなっている傾向があります。例えば「店舗への来店」等の成果地点の場合。「Web上で来店予約」した時点で成果発生はするのに、その後のユーザー様のアクション(実際に店舗へ足を運ぶこと)に成果承認が左右されるため、承認率の平均は50%前後となり、発生した成果のうち半分は却下される傾向があります。媒体様は却下成果が多いと広告を掲載するモチベーションが下がってしまうので、多少単価を低くしてでも「来店予約」時点を成果地点に設定し直してあげれば、承認率は大きく改善できます。

まとめ

今回はEPCについての概要や数値を改善させる方法などをお伝えしました。

EPCは、アフィリエイトの媒体様がよく用いる、収益性を図る指標です。広告主様がアフィリエイトマーケティングを成功させる上でもぜひ覚えていただきたい概念なので、参考にご覧いただき、PRに活かしていただければと思います。

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